早死

パニック障害者の寿命について

パニック障害は心の病であり、手術すれば治るといった類のものではありません。
心の持ちようや普段の行いにより、悪い方向にも良い方向にも傾きます。
体に良くないことを続けていれば悪化しますし、前向きに考え治療に専念すれば回復に向かいます。

病気に罹ったことをあまりネガティブに捉え過ぎると、どんどん精神的に落ち込んでしまい、死を意識するまでになりかねません。
また、本人にその気がなくとも、知らず知らずのうちに病気に悪影響のある生活を送っている場合もあります。

ではどのような行為がパニック障害を悪化させ、それがどう寿命に影響を及ぼすのかを解説していきましょう。

過労や睡眠不足は悪化のもと

パニック障害は、責任感が強い・活動的といった、いわゆる頑張り屋の人に多い傾向があります。
このような人は、発病してからも仕事を続けよう、何とか自分の力だけで治そうと無理をしがちです。

しかし病気で弱っている時に自分に鞭打つのは、病気を悪化させてしまうばかりで良いことはありません。また気晴らしのために趣味に没頭して、夜更かしをするなども考えものです。
過労や睡眠不足はパニック発作の大敵であるからです。

パニック障害は休養を十分にとりながら、焦らず治療することが肝心であることを知っておきましょう。
誤った努力で治そうとすればするほど、病気は悪い方向へ進んでしまいます。

なかなか回復しない自分を責めて、うつ病を併発してしまうことにもなりかねません。
うつ病は自殺を意識することもある危険な病気なので、十分な注意が必要です。

自傷行為で命を落とすこともある!

パニック障害にうつ病を併発すると、自殺願望が表れる確率が高くなると言われています。
自殺したいという思いは、そのまま自傷行為に繋がることが少なくありません。

自傷行為とは、自分で自分を痛めつける行為(壁に頭を打ちつける、リストカット等)のことです。
しかし患者さんは本当に死を望んでいるわけではありません。

死ぬほど辛いという気持ちを周囲に伝えるため、または自己嫌悪により自分を罰するために自傷行為に走るのです。
ただしいくら本気ではないとはいえ、このような行為はたいへん危険です。
打ち所が悪かったり、傷が深かったりしてそのまま命を落とすこともあり得るからです。

もし患者さんの自傷行為を見つけたとしても、決して責めてはいけません。患者さんは孤立感を深め、ますますエスカレートする可能性があるからです。
家族や周囲の人が辛い気持ちを理解してあげる、もしくは理解しようと努めることが、自傷行為への抑制力となります。

コーヒー・煙草・お酒は発作を誘発する

パニック発作を誘発する代表的なものが、コーヒー・煙草・お酒です。
コーヒーに含まれるカフェインには眠気覚ましや、テンションを上げる作用があるのですが、飲みすぎると発作を引き起こすことがあります。

次に煙草に含まれるニコチンには、不安を和らげる効果があります。
しかしそれはあくまでも一時的なものにすぎなく、必ずリバウンドが来て、発作が消えるどころかどんどん不安感は増して行きます。
ヘビースモーカーは、喫煙しない人の約15倍、発症率が高いという報告もあります。

さらにパニック障害の人がついつい手を出しがちなお酒にも、効不安作用があります。
しかしやはり煙草と同様、効果は一時的なものであり、飲んだ後は必ずリバウンドが襲ってきます。

これら嗜好品は発作を誘発し、症状を悪化させるものですので、パニック障害の人はできるだけ控えるべきです。

むしろ寿命が延びることもある!?

パニック障害を悪化させたり、発作を誘発させたりする原因は、案外身近にあります。
しかしこれらのリスクをあらかじめ知っておくことで、悪化や誘発を食い止めたり、命を落とすような悲劇を未然に防いだりできるとも言えます。

パニック障害は長引きやすいという難点があるものの、きちんと治療すれば治る病気です。
薬を欠かさずに飲み、規則正しい生活を送るように努め、それを継続することができれば、早死にどころかむしろ寿命が延びることも大いにあり得るのです。

よく「親と同じ病気で死ぬに違いない」「遺伝するに決まっている」と悪い方向に考える人がいますが、このような思い込みはよくありません。
確かに遺伝性の病気もありますが、パニック障害は遺伝ではなく、悪習慣やストレスなどが原因で引き起こされるものです。

たとえパニック障害にかかってしまったとしても、悲観することはありません。
適切な治療や生活習慣の改善により、むしろ発病前よりも健康になれたというケースもありますので、決して早死にするなどと後ろ向きに考えないで下さい。

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