過換気症候群

原因や症状、パニック障害との違いなど

過換気症候群は、周囲の空気が薄いわけでもないのに、息が苦しくなる病気です。
そのため本当はパニック障害なのに、過換気症候群と誤診されてしまう事がよくあります。
過換気症候群の原因や症状、発作が起きたときの対処法ほか、パニック障害と過呼吸症候群の違いなどをお教えしましょう。

呼吸が苦しくなる病気です

過換気症候群とは、突然もしくは徐々に呼吸が苦しくなる病気のことです。
この病気の発症者の多くは若い女性ですが、男性や高齢者にみられることもあります。

必要以上に呼吸をする過呼吸の症状が表れるため、過呼吸症候群と呼ばれることもあり、また過呼吸により血液がアルカリ性に傾くため、呼吸性アルカローシスとも呼ばれることもあります。

過呼吸の発作が起きる頻度は人によって違います。
一生のうちに一度しか起こらない人もいれば、ある時期にさしかかると毎日起こす人もいます。

原因は、血中の二酸化炭素の減少

何らかの誘因により脳内の呼吸中枢が過剰に刺激され、血液中の炭酸ガス(二酸化炭素)が極端に減少することが原因であると言われています。

血中の二酸化炭素が少なくなると、その代わりに酸素が多くなります。
しかし過呼吸が起きると、たくさん空気を吸い込もうとしてしまうため、ますます二酸化炭素は減ってしまい反対に酸素は増え、過呼吸は激しくなります。

過呼吸が起こり血液中の二酸化炭素が減ると、血液はアルカリ性に傾きます。
血液がアルカリ性に傾くと、脳の血管が収縮してしまうため、脳に十分な血液が届かなくなります。すると頭がボーッとしたり、眩暈が起こったりします。

また手指への血流も少なくなりますので、手や指先が痺れたりします。 さらにアルカリ度が高くなると、全身に痙攣が起きたり、胸が苦しくなったりします。
酷い場合には死の恐怖を感じたり、まれに失神をすることもあります。

放置すると発作は数十分以上続きますが、決して死ぬことや後遺症を残す事はありません。どんなに強い発作が起きても、時間とともに必ず元に戻ります。

過呼吸はこんな時に起きやすい!

過呼吸発作は、ハードなスポーツをした後や、強い心理的ストレスを感じたときなどに起きることが多いです。

しかし誰にでも起こるというわけではなく、ストレスに弱い体質な人や、緊張しやすい神経質な性格の人に生じやすい傾向があります。

また悪戯で、わざと呼吸を早くしたりするだけで発作が起きる場合もあります。 まれに若い女性の間で集団的に発生することもあります。
発作を起こしている仲間を見て、まるでクシャミがうつるかのように、周囲の仲間も次々と発作を起こすのです。

バスなどの乗り物の中や、暑苦しい場所などで起こりやすい現象のようです。

血液検査などを行って診断します

過呼吸症候群は、血液検査や胸部エックス線検査・心電図検査で調べることができます。

肺や心臓に異常がなく、血液中の二酸化炭素が正常値以下であり、酸素が正常値以上であれば過呼吸症候群と診断されます。
また血液がアルカリ性に傾いているか、酸性に傾いているかを調べるために、Phの測定も行います。

わざと発作を起こさせて、過呼吸の症状が表れるかどうかを調べることもあります。
過呼吸があったときは、決してそのままにせずにきちんと検査や診断を受けることが大切です。

発作はペーパーバッグで治めよう

過呼吸の発作を鎮めるには、ペーパーバッグ法が有効です。
紙袋を口にあてて、吐いた空気を再度吸い込むのがペーパーバッグ法です。この行為をくり返すことで、血液中の二酸化炭素の濃度を上げるのです。

ただし空気が漏れないようにと紙袋を口にぴったり当てすぎると、酸素不足になってしまいますので注意しましょう。
少し隙間を作って行うのが正しいやり方です。

いちど対処に成功すると自信がつくため、少しずつ発作は起こらなくなっていきます。

過呼吸症候群には治療薬がありません

専門医でも、パニック障害を過呼吸症候群と間違えることがよくあります。

なぜならパニック障害は過呼吸の状態になることが多く、過呼吸症候群の症状とよく似ているためです。
さらに紛らわしいことに、過呼吸症候群はパニック障害と合併することが多い病気です。

薬がよく効くパニック障害に対して、過呼吸症候群はこれといった治療薬がない病気です。
もし本当はパニック障害なのに過呼吸症候群と誤診されてしまうと、正しい治療がされないまま何年も経過してしまうことがあるので、注意が必要です。

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