治療

薬物療法と認知行動療法について

脳の誤作動により起きるパニック障害には、薬が良く効きます。
また発作が出そうな場所を避けるという行動パターンを治すには、ある訓練が必要です。

パニック障害に有効であると世界的に認められている治療法、薬物療法と認知行動療法について説明しましょう。

治療の主流となるのは薬物療法です

パニック障害は、辛いパニック発作を経験することで不安が高まり、その不安が次の発作を誘発してしまう病気です。
慢性化しやすいこの病気を治すには、できるだけ早く完全に、パニック発作を打ち消さなければなりません。

パニック発作を消すためには、薬物療法が不可欠です。パニック発作は、薬でほぼ完全にコントロールすることができるからです。
薬がどのようにパニック発作に作用するのか、その仕組みを解説します。

薬を飲んで神経を鎮める

パニック障害は、強い不安やストレスを感じる→脳が誤作動を起こす→パニック発作が表れる→また不安やストレスが脳の誤作動を起こす、という悪循環に陥りやすい病気です。
この悪循環を断ち切らなければ、いつまでも発作を無くすことはできません。

しかしこの悪循環を逆に利用することで、パニック発作を消す方法が存在します。 それが薬物療法であり、パニック障害の主流となる治療法です。

薬物療法に用いられる薬はさまざまですが、多くのものには鎮静作用があります。鎮静作用とは、心を落ち着つかせて、不安や恐怖などの感情を和らげてくれる効果のことです。

薬を長期にわたって飲み続けると、徐々に神経は鎮静状態を覚えていきます。その状態がやがてクセになると、簡単には刺激を感じなくなります。 それがパニック発作を消すことに繋がっていく、というわけです。

認知行動療法でマイナス思考を改善!

パニック障害の治療の中心となるのは薬物療法ですが、広場恐怖などがある場合は心理療法も行われます。

それが認知行動療法と呼ばれる治療法であり、認知療法と行動療法の2つがあります。

認知療法とは?

パニック障害に対する後ろ向きの考え方を、変えていくように導くのが認知療法です。

精神科医や臨床心理士によるカウンセリング、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

治療はまず、患者さんの生活環境や思考パターン、普段の行動などを聞き出すことから始まります。問診により、発病の原因を明らかにするのです。

そして原因が判明したら、パニック障害とはどんな病気であるかを医学的に説明したり、病気と冷静に向き合えるように導いたりなど、さまざまなアドバイスを行っていきます。

行動療法とは?

行動療法とは、地下鉄や人混みなど、あえて不安や恐怖を抱く場所に身を置くという方法です。
一見荒療治のようですが、パニック障害に効果的であることはきちんと証明されています。

はじめのうちは、患者さんは強い不安や恐怖を感じます。
しかしこの感覚はずっと続くわけではありません。ピークを過ぎると少しずつ治まり、安心に変わっていきますので、途中で逃げだしたりせず一定時間我慢する必要があります。

不安が安心に変わるまでにかかる時間は短くて15分ほど、長くても90分ほどです。
この感覚を繰り返し味わい、徐々に不安や恐怖を無くしていくのが行動療法の目的です。

なお行動療法は、いきなり1人で実行するわけではありません。周囲の人に助けてもらいながら、下記のように徐々に進めていくのが普通です。

  1. 患者さんはまず、自分が恐怖を感じる場面や状況を10項目書き出します。
  2. 項目に、不安のレベルが低いものから高いものへと段階をつけます。(不安階層表)
  3. 不安のレベルが弱いものから実行していきます。
  4. 初めのうちは、医師や臨床心理士など、専門家の付き添いのもと行います。
  5. 次は家族や友人など、身近な人の付き添いのもと行います。
  6. 最終的には、誰にも頼らずに1人で実行します。

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