パニック発作や予期不安について
いきなり嵐のような恐怖感に襲われ、心臓がドキドキしたり、息をするのが苦しくなったりした経験はありませんか?
また、そんな発作がまた起きるかもしれないと、生きた心地がしないまま日々を過ごしている人はいませんか?
もし身に覚えがあったら、それはパニック障害のパニック発作や予期不安かもしれません。
そんな時は決して焦らずに、できるだけ落ち着いて症状をよく観察してみましょう。 下記のような症状がみられるようであれば、パニック障害の可能性大です。
パニック発作は突如発生する!
動悸や呼吸困難などの自律神経症状と、不安や恐怖などの精神症状が同時に表れるのが、パニック障害のパニック発作です。
発作は、「この時間になると必ず起きる」と決まっているものではありません。何の前触れもなく突如発生し、10分以内でピークに達します。
パニック発作は、このまま頭が変になり、心臓が止まってしまうのではないかと恐怖を覚えるほど、激しいものです。
しかしほとんどの場合、この状態は30分ほどしか続きません。
発作が治まってからは、何事もなかったかのように元に戻り、本人はケロリとしています。 なかには半日以上、症状が持続する人もいますが、このようなケースはごく稀です。
動悸や呼吸困難が、自律神経症状です
動悸(心臓がドキドキする)
パニック障害の代表的な自律神経症状が、動悸です。動悸とは心臓がドキドキして、胸が苦しくなる状態のことを言います。
しかし実際に発作を体験した人は、心臓がドキドキするなどという生易しいものではないと言います。
心臓が破裂する・心臓が口から出そうになる・心臓を鷲掴みにされるといった、とても過激な言葉で表現されることが多いです。
口渇・呼吸困難
動悸に次ぐパニック障害の代表的な症状が、呼吸困難です。呼吸が極端に速くなる、息苦しくなるといった状態に陥ります。
息の吸い方や吐き方がわからなくなる、密室に閉じ込められた感じ、と訴える人もいます。 呼吸困難のほかにも、喉がカラカラに渇く感覚、口の中がザラザラと乾く感覚に襲われることもあります。
冷や汗
暑さが原因ではなく、不安や恐怖による発汗です。冷や汗をかくことで、さらに不吉な感覚が生まれるため、不安や恐怖心はいっそう強くなります。
なかには“冷や汗をかく”ではなく、“脂汗が吹き出る”と感じる人もいます。
手足や全身の震え・麻痺
手足や全身の筋肉が収縮し、自分の意思とは無関係に震えたり麻痺したりする症状です。
体に重い布をかけられたような感覚、体がガクガクと動く感覚、と表現する人もいます。
吐き気・腹部の不快感
吐き気や腹部の不快感が表れることもあります。胃をギュッと掴まれる、お腹の中がグチャグチャになるといった表現で、その不快感を表す人もいます。
強い吐き気をもよおして実際に嘔吐してしまう場合もあります。
現実感の喪失や離人感が、精神症状です
眩暈や頭が変になるという感覚
頭がクラクラするような、眩暈の症状が表れることもあります。
また頭から血の気が引く、頭を後ろにひっぱられる、といった感覚に襲われる人もいます。
なかには、気がふれてしまうのではないか、おかしなことをして人前で恥をかくのでは、と恐れる人もいます。
現実感の喪失・離人感
自分の存在が感じられなくなるのが、現実感の喪失です。景色が灰色に見える、頭に霧がかかったよう、と訴える人もいます。
また自分の行動や思考を感じる力が弱まった状態が、離人感です。
もう1人の自分が自分を外から眺めている、意識を失いそう、といった感覚に陥る症状です。
予期不安とは、発作の再来を恐れること
パニック障害にはつきもののもう1つの症状が予期不安です。パニック障害の人の80%に、この症状が起きると言われています。
予期不安とは、「またあの恐ろしい発作が起きるのではないか」という強い恐怖にとりつかれるあまり、だんだん行動範囲が狭くなっていく状態のことを言います。
予期不安は日に数回、頭をよぎる程度の軽いものから、一日中頭から離れなくなり、仕事も何もかも手につかなくなるような重いものまで、人によってレベルが違います。
予期不安が重度になると、家から出ることが恐ろしくなり、家族や友人に付き添ってもらわなければ一歩も外に出ることができません。
